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ストレスで過食 糖質依存も/精神科医・尾崎先生のあおぞら診察室

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この社会において、どのようにストレスに向き合えばいいのでしょうか。精神科医の尾崎京華さんがお答えします

Q.嫌なことがあると菓子パンやスナックなどを過食してしまいます。その後、後悔して強制的に嘔吐(おうと)したり絶食したりします。それを繰り返す自分が嫌になります。コントロールできる方法はありますか。(30代、女性)

 

ストレスで過食 糖質依存も
「神経性過食症」と呼ばれる摂食障害に該当します。この病気はストレスで止めどなく食べ続け、過食後の体重増加を防ぐために自己誘発性嘔吐や絶食、過剰な運動、下剤や利尿剤の乱用などの不適切な代償(埋め合わせ)行為を行います。
症状が続くと、さまざまな合併症を引き起こします。胃酸で歯が溶けてしまう酸蝕(さんしょく)症、体重減少による無月経、不整脈の原因となり得る電解質異常など生命を脅かすような病気も含まれます。代償行為を繰り返す自分自身への嫌悪感から、うつ症状が出ることもあります。
「過食」は自己防衛反応であり、ストレス度を示します。心療内科などを受診し、まずは原因と向き合いましょう。そして、運動したり友人とおしゃべりしたりするなど、食べること以外のストレス発散方法を見つけましょう。
また、甘いものや炭水化物への欲求が収まらない「糖質依存」による過食も考えられます。人は糖質と脂肪酸をエネルギーに変える回路を持っています。依存時は糖質のエネルギー回路が働き過ぎ、次々と糖質を体が欲してしまいます。その状態を脱するには、脂肪酸のエネルギー回路を回さなければなりません。そのためには脂質、タンパク質、ビタミンB群、マグネシウム、鉄分が必要で、それらを含む肉や卵などを使った食事が効果的。手軽な方法として、プロテインを1日40グラム程度取るのもいいでしょう。
過食は意志の弱さで起きるのではありません。正確な原因を理解し、向き合い、改善を目指しましょう。

 

教えてくれた人
こころのクリニックひまわり 院長 尾崎京華さん
おざき・きょうか 久留米大医学部卒。精神科医として、認知行動療法や栄養学を取り入れた診療を行う。他の医療機関では物忘れ外来も。5月に広島県海田町でクリニックを開院。
https://cocoro-clinic-himawari.com/

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