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過敏な腸 運動や食事で整えて/精神科医・尾崎先生のあおぞら診察室

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この社会において、どのようにストレスに向き合えばいいのでしょうか。精神科医の尾崎京華さんがお答えします

Q.会議での発表前など緊張して腹痛や下痢の症状が出ます。内科を受診しても異常はなく、どう対処したらいいですか。(30代、女性)

 

過敏な腸 運動や食事で整えて
過敏性腸症候群(IBS)が考えられます。IBSは検査などでは異常がないにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛など下腹部の不快な症状が持続する疾患です。日本では女性16%、男性13%の人がIBSで悩んでいるといわれ、10代から50代に多く見られます。
IBSは命に関わる病気ではないですが、生活が制限され、生活の質を低下させてしまいます。主な症状は「腹痛」「下痢」「便秘」の三つです。便秘と下痢を併発する混合型もあります。腸壁内の神経が腸の伸縮する刺激に対して過敏になり、痛みが生じます。その他、おなかが張って苦しくなる「腹部膨満感」や排便パターンの不規則化、消化不良などもあります。
原因は大腸や小腸など消化管の異常や知覚過敏、ストレスが影響していると考えられています。特にストレスは自律神経に影響を与えます。副交感神経が乱れると便秘に、交感神経が乱れると下痢になるなどの症状が現れます。治療は、食事療法や運動療法などで生活習慣の見直しやストレスの軽減を図ります。症状に合わせて整腸剤やIBS治療薬、抗不安薬などを利用します。中にはうつ病や不安障害などの精神疾患を合併している人もいるので、うつ病の治療をすることで症状が改善する人もいます。
症状を抑えながら、うまく付き合うことも大切です。運動やリラクセーション法などを取り入れて、「症状はあるけど行動できた」という成功体験を積み重ねることが快方に向けて大切です。

教えてくれた人
こころのクリニックひまわり 院長 尾崎京華さん
おざき・きょうか 久留米大医学部卒。精神科医として、認知行動療法や栄養学を取り入れた診療を行う。他の医療機関では物忘れ外来も。5月に広島県海田町でクリニックを開院。
https://cocoro-clinic-himawari.com/

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