【あし太がめぐる民芸品#2】沖縄県やちむん | アシタノ メインコンテンツにスキップする

【あし太がめぐる民芸品#2】沖縄県やちむん

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庶民の生活に寄り添う工芸品を『民芸品』と呼び、 その土地ならではの技法が全国各地で継承されています。 第2回では、お祝いギフトにもオススメな民芸陶器をご紹介。

沖縄の美しい自然とおおらかな空気を味わう器

色彩鮮やかで大胆な絵付けが印象的な「やちむん」。ぽってりとした厚みがあり、そのシルエットから感じられる土のぬくもりも魅力の一つです。

 

やちむんの歴史は古く、沖縄で焼物(土器文化)が始まったのがおよそ6600年前。中世には中国から、15世紀には朝鮮、日本、ベトナムなどから陶磁器が輸入され、琉球王国に焼物文化が定着していきました。1600年頃には朝鮮式の技法が伝わり、それを基礎に沖縄の赤土を使った「壺屋焼」の生産が始まります。壺屋焼は王府への献上品として利用されたほか、泡盛や水を保管する甕、酒瓶、お皿、花瓶、骨壷などの日用雑器としても、沖縄の人々の暮らしに定着。廃藩置県を経て「沖縄県」となってからは、県外からの来訪者に向けた土産物として、エキゾチックな絵付け技術が発展したといわれています。また、明治時代には民芸品の美しさを発掘する「民芸運動」によって作風が高く評価され、異国感溢れるやちむんの魅力が本土でも広がっていきました。

 

現在では、那覇市壺屋と読谷村「やちむんの里」を中心に多くの陶工がオリジナリティ溢れる作品を生み出し、土の風合いをダイレクトに感じられるシンプルな器から、南国感溢れるカラフルな器まで、幅広いデザインで親しまれています。植物の生命力を表現した「唐草模様」、子宝との縁を表す「魚紋」など、縁起のよい絵柄はおめでたいシーンの贈り物にもぴったり。華やかながら、どんな料理とも合わせやすいやちむん。食卓に取り入れ、沖縄のおおらかで美しい自然を想い起こしてみては。

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アシタノ編集部

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