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読書日和/「旅をする木」「光のとこにいてね」

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心に残る思い出の一冊を、書店員たちに挙げてもらうコラムです。併せて、売れ筋ランキングや話題の新刊も紹介します。

思い出の本 星野道夫 「旅をする木」

アラスカの魅力と危うさ記す

(文藝春秋)704円

 

私が紹介するのは、社会人になった頃に出合い、今も愛読している写真家・星野道夫さんの著書です。ロシア・カムチャツカ半島でヒグマに襲われて亡くなった事件の新聞記事で、初めて星野さんを知りました。その後自店の棚で「あの記事の方の新刊だ」と星野さんが著した文庫本「イニュニック[生命]」を見つけ、手に取りました。写真の美しさに魅了され、やがて写真だけでなく文章にも心が引かれていきました。

アラスカの自然と人を愛し、旅人からそこに根を下ろして生きる人になった星野さん。この文庫本「旅をする木」には、彼の目に映るアラスカの変わらない魅力と過渡期ゆえの危うさが書かれています。氷河と原生林の迫る入り江、季節ごとに鮮やかに色を変える広大な原野、厳しい環境の中たくましく生きる動物たち、さまざまな人々との出会いと交流―。ひんやりと澄んだアラスカの空気を感じられる一冊です。

話題の新刊 一穂ミチ 「光のとこにいてね」

2人の少女の四半世紀の物語

(文藝春秋)1980円

 

心のひだを繊細かつ鮮やかに描きだす作家・一穂ミチさんの新刊は、まったく違う世界に生まれた2人の少女の出会いから四半世紀をつづった物語です。どうにもならない事情で離れてしまっても、魂が引かれ合うような結びつきは切れなかった2人。どうか穏やかな日々をと願いつつ、心揺さぶられるラストまで一気読み必至の長編です。

先月のベストセラー 啓文社調べ(11/1-11/30)

第1位
湊かなえのことば結び (湊かなえ/角川春樹事務所)
第2位
たった5日でウエスト-7cm 美くびれデザイン (廣田なお/幻冬舎)
第3位
栞と嘘の季節 (米澤穂信/集英社)
第4位
バカと無知─人間、この不都合な生きもの─ (橘玲/新潮新書)
第5位
死は存在しない (田坂広志/光文社)

啓文社 コア福山西店

書籍の販売やDVDレンタル、インターネットカフェ「Ease」のほか、同じフロアには文具店「プラスF」やパン店「リトルマーメイド」が軒を連ねます。2階には家電量販店「エディオン」が入り、多種多様なお買い物が楽しめます。

住所
福山市高西町4-3-61
電話
084-930-0901
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メディア中国編集部

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