読書日和/『マカン・マラン』『文庫旅館で待つ本は』 | アシタノ メインコンテンツにスキップする

読書日和/『マカン・マラン』『文庫旅館で待つ本は』

この記事をシェア

シチュエーションごとにぴったりな一冊を書店員たちに薦めてもらうコラムです。売れ筋ランキングや話題の新刊も紹介します。

テーマ ふと立ち止まりたくなった時に読みたい本 古内一絵 『マカン・マラン』

優しい言葉で明日への一歩を

(中央公論新社)1650円

 

商店街の外れに古民家のようなお店がひっそりとたたずんでいます。昼は服飾店「シャール」として営業し、夜は夜食カフェ「マカン・マラン」に変貌します。オーナーのシャールは、ショッキングピンクのボブウィッグやナイトドレスを身にまとったドラァグクイーン。ここにはさまざまな悩みや傷を持つ人が集まります。そんな人たちを時には優しい言葉をかけながら、おいしい料理でもてなします。

本作で描かれている悩み事は身近に感じるものが多く、親近感を覚えます。シャールと相談者の掛け合いに没入すると、自分の話を聞いてもらっている感覚に。ふと立ち止まりたくなった時に、ページをめくってシャールさんの優しい言葉に触れれば明るい方へ向かえる気がします。明日への一歩を踏み出すヒントがもらえる一冊です。

話題の新刊 名取佐和子 『文庫旅館で待つ本は』

若女将の一冊が人生動かす

(筑摩書房)1760円

 

戦前から続く海辺の老舗旅館「凧(たこ)屋」は、別名「文庫旅館」と呼ばれています。そのゆえんは、かつての常連客・海老澤氏が寄贈した膨大な蔵書が並ぶ図書コレクション「海老澤文庫」。その中から若女将(おかみ)の円が、宿泊客にぴったりの一冊を薦めます。川端康成などの文豪たちによる名作と、訪れる人々の人生が交錯し、新たな道が開けていきます。若女将が選ぶ「あなたと同じにおい」の一冊が、宿泊客の人生を動かします。

先月のベストセラー 啓文社調べ(1/1-1/31)

第1位
大ピンチずかん2 (鈴木のりたけ/小学館)
第2位
変な家2 〜11の間取り図〜 (雨穴/飛鳥新社)
第3位
大ピンチずかん (鈴木のりたけ/小学館)
第4位
新版 科学がつきとめた「運のいい人」 (中野信子/サンマーク出版)
第5位
シャーロック・ホームズの凱旋 (森見登美彦/中央公論新社)

啓文社 コア福山西店

書籍やトレーディングカードの販売、インターネットカフェ「Ease」のほか、同じフロアには文具店「プラスF」やパン店「リトルマーメイド」が軒を連ねます。2階には家電量販店「エディオン」が入り、多種多様なお買い物が楽しめます。

住所
福山市高西町4-3-61
電話
084-930-0901
この記事を書いた人

メディア中国編集部

関連タグ

関連記事一覧

TAG LIST