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ええね! 広島の伝統工芸品(2/3)

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熊野筆
1.jpgハートブラシシリーズなどの化粧筆と書道筆
2.jpg書道筆を作る工程。さまざまな種類の毛を練り混ぜ、均等に配置します
3.jpg職人が逆毛、すれ毛を手作業で選別

 

教えてくれた人
晃祐堂 土屋 武美 社長

 

ハート形や靴用 新発想
広島県熊野町は、日本一の筆の産地です。穂首が町内で製造された筆を「熊野筆」と呼びます。江戸末期から続く国の伝統的工芸品で、書道筆や画筆、化粧筆などがあります。国外から取り寄せたヤギやリスなど、動物の毛を主に使用。先端をカットしない自然な毛を使用しているので、柔らかな触感や弾力が特長です。職人が細い毛や曲がった毛などを取り除きながら一点ずつ丁寧に仕上げます。
化粧筆は、2011年にサッカー女子日本代表に国民栄誉賞の副賞として贈られたことがきっかけとなり人気が定着。国内外のトップブランドの化粧筆にも採用されています。また、画筆はアニメ業界でも使われ、注目を浴びました。
1978年創業の晃祐堂は、2014年に新工場「化粧筆工房」を同町内に設立。多い時は1日に3000本の化粧筆を出荷しています。ハート形でピンクの化粧筆「ハートブラシシリーズ」や、上品なつやを生む靴磨き用仕上げブラシなど、枠にとらわれない自由な発想で次々と新商品を発売。化粧筆関連商品だけで500アイテムを展開しています。
現在取り組んでいるのは、利用者が減っているといわれる書道筆に再び光を当てること。制作には70の工程があり、化粧筆の2倍以上です。「天然の原毛に熱を当てて真っすぐに伸ばす『火のし』など、熟練の職人技術を要します。この技術を化粧筆や異業種とのコラボなどに生かし、伝統を守り続けたいです」と社長の土屋武美さんは力を込めます。
5.jpg書道筆の製法で仕上げた化粧筆の新シリーズ「プレミアム」。チークなどの粒子がやさしく肌に乗り、ナチュラルに仕上がる
6.jpgシューズケア用品メーカー「コロンブス」(東京)とコラボした靴磨き用の仕上げブラシ「ブートブラック フィニッシングブラシ」。コロンブスのサイトなどで購入可
7.jpgカラフルな書道筆のシリーズ「IRODORI(イロドリ)」。太さも濃淡も自由自在で、水さえあれば使えます。カラーは4色

<DATA>
・晃祐堂 化粧筆工房
広島県熊野町平谷4-4-7 082-516-6418

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8.jpg工場見学と筆作り楽しむ
晃祐堂化粧筆工房では、工場見学(無料)や筆作り体験(3000円)ができます(各約20分、要予約)。工場見学ではガラス越しに職人が作業する様子を見ることができます。筆作りは、穂首の色を選び、毛先を整え、糸で縛って完成させます。完成品はチークやフェース、仕上げ用のブラシとして使えます。軸部分に好きな文字を刻印できるので記念品にもぴったりです。
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