日本茶をもっと身近に(2/3)
自宅で楽しむ。
<教えてくれた人>
「今川玉香園茶舗」5代目店主
今川智弘さん
茶葉の種類や特徴を知る
尾道市にある明治11年創業の老舗「今川玉香園茶舗」。お茶と茶道具の専門店として、全国の茶名産地をめぐり、「品質・味・香り」を吟味した銘茶のみを販売している。
5代目店主の今川智弘さんに、お茶を一から楽しむための知識を教えてもらいました。日本茶は日本で作られたお茶のことで、一般的には緑茶のことを指します。その緑茶が、栽培方法・摘み取り時期・製造工程などの違いによって、煎茶や玉露、抹茶、ほうじ茶などさまざまな種類(呼び名)に変わります。
茶葉の種類を知って、選ぶ面白さを知ればお茶はもっと楽しめます。下記に挙げた4種類の特徴を参考に好みのお茶を探してください。
01 玉露 Gyokuro
まろやかなうま味
とろりとした口当たりと、口の中にしっかりと広がるうま味が特徴。味の秘密は茶葉の育て方にあり、摘み取り前の3週間前から直射日光を遮ります。太陽の光を浴びないことで、うま味成分であるテアニンが増え、まろやかで濃厚なうま味が生まれます。玉露の魅力を引き出すには、60度ぐらいの低温で時間をかけて茶葉を蒸らすのがポイントです。
02 煎茶 Sencha
日常使いにぴったり
日本茶の生産量の8割を占め、日本で最も親しまれているお茶です。清い香りと渋味の中にはほんのりうま味が残る優しい味が、日本人に愛され続けています。摘みたての茶葉をすぐに蒸して発酵を止めます。仕上がった茶葉は、針のように細くまっすぐで、一本一本が美しい緑色に変化します。生葉の蒸し時間を2、3倍長くして製造した「深蒸し茶葉」もあります。
03 抹茶 Maccha
日本の茶文化の原点
日本独自の茶文化に欠かせない伝統的なお茶。玉露と同じように育てたものを蒸し、もまずに乾燥させ、さらに石臼でひいて仕上げています。茶せんでたてて飲むのが特徴で、他の茶と違って煎じるのではなく、茶葉をまるまる飲めるのが特徴。濃厚な味わいの中にあるまろやかで優しいうま味は、菓子とも好相性です。
04 ほうじ茶 Houjicha
刺激が少なく飲みやすい
煎茶や雁ケ音(茎)などを高温で焙煎し、水分を飛ばして作る食事時の定番茶。香ばしい香りと飲みやすい味が、口の中をすっきりとさせるので、食後のお茶として好まれます。また、含まれるタンニンやカフェインが少ないため、胃腸の調子が悪いときや、お年寄りにもおすすめです。ほうじ茶を使ったスイーツも人気で、楽しみ方も増えています。
今川玉香園茶舗
尾道市久保1-6-8
0848-37-3766
営業時間 9:00~19:00
定休日 不定