読書日和/『チョコレート工場の秘密』『黒蝶貝のピアス』
心に残る思い出の一冊を、書店員たちに挙げてもらうコラムです。併せて、売れ筋ランキングや話題の新刊も紹介します。
思い出の本 ロアルド・ダール 『チョコレート工場の秘密』
世界観に引かれ本好きに
(評論社)1320円
初めてこの本を手に取ったのは、小学生の時でした。きっかけは、兄が読んでいたこの本に憧れを抱いたからという、ごくシンプルな理由。そんな何げない気持ちで読み始めたこの本は、今まで見たことのない世界観でした。
貧しい暮らしを強いられるチャーリーのもとに飛び込んできた、謎に包まれたチョコレート工場を訪れるチャンス。前半は彼がそのチャンスをものにするための奮闘を、後半はめまぐるしく変化する工場の様子を描写しています。個性豊かな5人の子どもたちと工場長のワンカが繰り広げる、壮大なストーリーにどんどん引かれていきました。
著者ロアルド・ダールが描くダークファンタジーの世界に引かれ、大学で彼のことを学びたいと思うようになりました。さらに、本そのものに興味を持たせてくれました。私の人生に刺激を与えてくれた一冊です。
話題の新刊 砂村かいり 『黒蝶貝のピアス』
2人の心情や絆描く物語
(東京創元社)1870円
人間関係のもつれで、25歳を目前に転職活動をする環。アイドルをやめ、デザイン会社の社長になった菜里子。2人は不器用ながらもお互いに向き合い、過去や人間関係を見つめ直します。視点を変えながら語られる登場人物の心情や、映像のような細かい描写にどんどん引き込まれます。年齢や立場を越えた先にある「絆」を描く物語です。
先月のベストセラー 啓文社調べ(6/1-6/30)
- 第1位
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とにかく仕組み化 (安藤広大/ダイヤモンド社)
- 第2位
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堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 (堤未果/幻冬舎)
- 第3位
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キレイはこれでつくれます (MEGUMI/ダイヤモンド社)
- 第4位
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裁判官の爆笑お言葉集 (長嶺超輝/幻冬舎)
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頭のいい人が話す前に考えていること (安達裕哉/ダイヤモンド社)
啓文社 ポートプラザ店
売り場面積が1600平方メートルを超える中国地方最大クラスの書店です。書籍は質、量ともに地域ナンバーワンです。看護書、介護書、工学書、教育書の特約書店で、Z会特約店。キッズコーナーもあります。
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