シネマNAVI「福田村事件」2023年9月1日〜公開(PG12) | アシタノ メインコンテンツにスキップする

シネマNAVI「福田村事件」2023年9月1日〜公開(PG12)

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集団心理の怖さ生々しく

関東大震災(1923年)の後、千葉県で実際に起こった集団虐殺事件を基にした映画「福田村事件」が9月1日から、全国の映画館で順次公開されます。監督は、オウム真理教の信者たちを追った「A」(98年)や「A2」(2001年)、「i-新聞記者ドキュメント-」(19年)などのドキュメンタリー作品で知られる森達也さん。初めての劇映画を手掛けました。

「福田村事件」とは関東大震災の5日後、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの流言飛語が飛び交う中で、千葉県福田村(現在の野田市)の自警団を含む村人が香川県から訪れた薬売りの行商団15人のうち、幼児や妊婦も含む9人を殺害した事件。村の人々が行商団を朝鮮人と疑ったために起こりました。地元でも語られることなく、長い間忘れられていた100年前の過ちに、「目を背けてはいけない」と森監督や脚本を担当した佐伯俊道さん、荒井晴彦さん、井上淳一さんら映画人が光を当て、普通の人たちが残虐な行為に手を染めてしまう集団心理の恐ろしさを生々しく描きました。

あらすじ

日本統治下の朝鮮・京城(今の韓国・ソウル)で教師をしていた澤田智一(井浦新)は妻の静子(田中麗奈)を連れ、故郷の福田村に帰ってきました。智一には京城で日本軍による朝鮮人虐殺を目撃するという、恐ろしい体験がありました。その後、関東大震災が発生し、壊滅的な被害によって人々は大混乱に陥ります。社会に不安が広がっていく中で、朝鮮の人々や社会主義者にまつわるデマが拡散していき、福田村にも「朝鮮人が集団で襲ってくる」などの情報がもたらされます。恐怖や疑念の気持ちが深まり、浮足立つ村民たち。そんな時、沼部新助(永山瑛太)が率いる薬売りの行商団が四国・讃岐から福田村を訪れていました―。

 

上映館

サロンシネマ(2023年9月1日~)、シネマ尾道(2023年9月2日~)、福山駅前シネマモード(2023年9月15日~)、呉ポポロシアター(2023年10月6日~)

https://www.fukudamura1923.jp/

この記事を書いた人

仁科久美(メディア中国編集部 ライター・編集者)

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