読書日和/『Presents』『シェニール織とか黄肉のメロンとか』 | アシタノ メインコンテンツにスキップする

読書日和/『Presents』『シェニール織とか黄肉のメロンとか』

この記事をシェア

シチュエーションごとにぴったりな一冊を書店員たちに薦めてもらうコラムです。売れ筋ランキングや話題の新刊も紹介します。

テーマ 一歩前に進みたい時に読みたい本 小説/角田光代 絵/松尾たいこ 『Presents』

贈り主の愛 生きる力に

(双葉文庫)628円

 

人は生きている中で、数多くの愛を贈られています。私も家族や友人などからさまざまな贈り物をもらってきました。本書は、人生で巡り合うかけがえのないプレゼントシーンを、文章と絵で色鮮やかに表現した短編小説集です。

その中の一つに、国語の教科書にも載っている「ランドセル」という作品があります。ランドセルがあれば自分の全財産を詰めてどこにでも行けると希望に満ちていた少女は、大人になり何も分かっていなかったと絶望します。ある日、実家の母から使い古したランドセルが届きます。小学生の頃のように必要なものを詰め込みますが、1泊分の荷物すら入りません。失ったものばかりに目を向けていた主人公が、ランドセルに入りきらないほどたくさんのものをもらっていたことに気付くのです。

人生の中で絶望することはたくさんあります。そんな時はふと立ち止まって、贈り物に込められた思いを胸に前へ進んでいきたいですね。

話題の新刊 江國香織 『シェニール織とか黄肉のメロンとか』

「三人娘」の日常描く物語

(角川春樹事務所)1870円

 

作家の民子は、母と二人暮らし。そこに大学からの友人である理枝がイギリスから戻り、居候することになります。民子と理枝は「三人娘」と呼ばれるほど仲良しだった主婦の早希と再会し、おいしい料理を堪能しながら話に花を咲かせます。性格も生き方も異なる3人の楽しくも切実な日常を描いた群像劇。少女から女性になっても変わらない友情物語を楽しんでください。

 

先月のベストセラー 啓文社調べ(10/1-10/31)

第1位
続 窓ぎわのトットちゃん (黒柳徹子/講談社)
第2位
パンどろぼうとほっかほっカー (柴田ケイコ/KADOKAWA)
第3位
あなたが誰かを殺した (東野圭吾/講談社)
第4位
新版 科学がつきとめた「運のいい人」 (中野信子/サンマ-ク出版)
第5位
大ピンチずかん (鈴木のりたけ/小学館)

啓文社 ポートプラザ店

売り場面積が1600平方メートルを超える中国地方最大クラスの書店です。書籍は質、量ともに地域ナンバーワンです。看護書、介護書、工学書、教育書の特約書店で、Z会特約店。キッズコーナーもあります。

 

住所
福山市入船町3-1-25 天満屋ハピータウン ポートプラザ店1階
電話
084-971-1211
この記事を書いた人

メディア中国編集部

関連タグ

関連記事一覧

TAG LIST