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【ものづくり現場リポート】vol.3 株式会社モルテンのMY FOOTBALL KITができるまで

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モルテンのスポーツ用品事業から誕生した、組み立て式サッカーボール“MY FOOTBALL KIT(マイフットボールキット)”。一般販売はされておらず、事業に賛同する企業・団体が、世界中の子どもたちへキットを寄贈。もしくはイベントなど体験の場を提供することで、SDGsに掲げられた、目標4「質の高い教育をみんなに」、目標12「つくる責任・つかう責任」に貢献。見どころたくさんなキットの誕生に迫りました。

途上国の子どもたちに スポーツをさらに楽しむ体験を贈りたい

 「途上国にサッカーボールを贈る取り組みはよく耳にするが、それでは継続的な支援につながらない。モノを贈るのではなく、新たな体験、教育の機会を贈ることができないか…」そんな想いから始まった、組み立て式サッカーボールの開発。組み立てる工程によって子どもの空間認識能力を高められると、モルテンの想いに共感した学習塾「花まる学習会」、デザインオフィス「nendo」とともに、プロジェクトが動き出しました。

モルテンが培った技術力で 多くの課題を乗り越える

モルテンでは初めての、空気を入れないサッカーボールの開発。ほかにも、環境に配慮した素材選び、裸足でも遊べる安全性、従来のボールのような蹴り心地の再現、子どもにとって「簡単すぎず、難しすぎない」仕組みなど、課題はたくさんありました。苦労の多い開発の中で数えきれない試作を経て、試作品をカンボジアでテストプレイ。大喜びで遊ぶ子どもたちの様子に涙するエンジニアの姿もあり、課題はまだまだ多くあれど、このプロジェクトは必ず成功すると確信した出来事だったといいます。

教育面、環境面をカバーする仕組みで SDGsに掲げられた目標に貢献

カンボジアでのテストで見つかった安全性や耐久性の課題点、デザイン性を突き詰め、ついにMY FOOTBALL KITが完成!素材には再生ポリプロピレンを約40%使用し、パッケージには不織布のみを用いたり、コンパクトな梱包で運送コストを削ったりと、環境問題にも配慮。説明書は、どの国でも理解できるようにイラストだけで構成され、未就学児でも30分程で取り組める難易度に仕上がりました。

空間認識能力や自己肯定感を高め、 子どもの可能性を広げていく

友だちと協力しながら、大人の力を借りずに完成させることで自信や達成感が生まれる。自作のボールへの愛着によって、モノを大切にする気持ちが育まれる。一つのキットを通して多くの能力を伸ばし、子どもの創造力を掻き立てるMY FOOTBALL KIT。とある幼稚園では、SDGsに関する紙芝居を行った後にキットを組み立て、環境問題への理解をより深める取り組みを実施したそう。事業に賛同する企業・団体によって、キットの使い方も多彩に広がっています。

Interviewer memo

「将来的には、壊れた部品を集めて再利用したり、途上国に工場を建てて雇用を生んだりと、できることはまだまだあると思っています」と、プロジェクトリーダーの内田さん。実際にキットが子どもたちの手に渡ったことで、大人が思ってもみなかった作用が生まれ、MY FOOTBALL KITの可能性も広がり続けているようです。

 


 

プロジェクトの詳細はHPへ

https://myfootballkit.jp/

この記事を書いた人

アシタノ編集部

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