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読書日和/『始まりの木』『宙わたる教室』

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シチュエーションごとにぴったりな一冊を書店員たちに薦めてもらうコラムです。売れ筋ランキングや話題の新刊も紹介します。

テーマ 心穏やかに考え事をしたい時に読む本 夏川草介 『始まりの木』

日本各地を訪ねる民俗学の旅

(小学館文庫)869円

 

旅の準備をしたまえ―。不意に発せられるこの一言が、新鮮な発見と驚きをもたらす旅の始まりです。民俗学を学ぶ大学院生の藤崎千佳と、その師・古屋神寺郎が日本各地を訪ね歩く冒険の物語。弘前、京都、伊那谷、宿毛―。そこには、人々が大切にし、その恵みと共に生きてきた豊かな自然が辛うじて残っていました。

しかし、東京の片隅で伐採を待つ桜の古木の例のように、山を開き巨木を切り倒して便利な町をつくるにつれ、自然の中に人々が感じていた神様も消えようとしています。そんな移りゆく時代を進む人々に向けて民俗学が指し示せるものがあるのでは、と旅を重ねるうちに思うようになった千佳は、学者としてこれからも歩んでゆく決意をするのです。目には見えないけれど大事なもの。心の中にそっと持っておきたいものについて考えさせられます。

話題の新刊 伊与原新 『宙わたる教室』

定時制科学部の奮闘記

(文藝春秋)1760円

 

東京都新宿区にある定時制高校に通う年齢も経歴もさまざまな生徒たち。1章ごとに語り手が変わり、ここで学ぶ事情や葛藤が明らかになります。そんな中、担任の先生の熱心な勧誘で科学部が創部。一人また一人と部員が集まり、格差や過去の因縁にとらわれながらも、研究成果の発表に向けて力を合わせます。新たな一歩を踏み出し、目標に向かって奮闘する彼らの背中に拍手を送りたくなる一冊です。

先月のベストセラー 啓文社調べ(12/1-12/31)

第1位
大ピンチずかん2(鈴木のりたけ/小学館)
第2位
大ピンチずかん(鈴木のりたけ/小学館)
第3位
変な家2 〜11の間取り図〜(雨穴/飛鳥新社)
第4位
小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本(小杉拓也/ダイヤモンド社)
第5位
続 窓ぎわのトットちゃん(黒柳徹子/講談社)

啓文社 コア福山西店

書籍やトレーディングカードの販売、インターネットカフェ「Ease」のほか、同じフロアには文具店「プラスF」やパン店「リトルマーメイド」が軒を連ねます。2階には家電量販店「エディオン」が入り、多種多様なお買い物が楽しめます。

 

住所
福山市高西町4-3-61
電話
084-930-0901
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メディア中国編集部

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