心の休養 五感を使って/精神科医・尾崎先生のあおぞら診察室 | アシタノ メインコンテンツにスキップする

心の休養 五感を使って/精神科医・尾崎先生のあおぞら診察室

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この社会において、どのようにストレスに向き合えばいいのでしょうか。精神科医の尾崎京華さんがお答えします

Q.新生活が始まり、環境の変化についていけず、憂鬱な気分になります。前向きになる方法や対処法はありますか(30代、女性)

心の休養 五感を使って
春は就職や転勤などで環境が変わり、ストレスを感じやすくなります。30代会社員のAさんの事例を基に対策を説明します。
Aさんは気遣いができ、真面目な性格。今年に入り転職しましたが、気を使う性格から分からないことを周りに聞くことができませんでした。それによってミスが重なり、上司や顧客からの叱責(しっせき)が増えました。次第に「自分は駄目だ」とマイナス思考に陥り、仕事や人に対して回避的になっていました。やがて不眠や食欲不振など、私生活にも支障をきたしていました。
これは、適応障害、うつ状態といえます。不安や恐怖から自分や周囲、将来に対し悲観的になっています。強いストレスは心のエネルギーを低下させ、活力を奪います。気遣いができ真面目な人ほど、マイナスポイントばかりに目が向いてしまいます。
それには、心の消耗を自覚し回復させなければなりません。まずは休養。1分間の腹式呼吸を毎日しましょう。少し回復したら、花を見たりおいしいものを食べたりするなど五感を使った行動や、初めての行動に挑戦してみましょう。携帯電話に一日触らないなど習慣化した行動をやめてみるのもいいです。ストレスに強いというのは、我慢強いことではありません。自分なりの対処法でストレスとうまく付き合えることです。それを見つけることが、予防や再発防止につながっていきます。

教えてくれた人
こころのクリニックひまわり 院長 尾崎京華さん
おざき・きょうか 久留米大医学部卒。精神科医として、認知行動療法を専門に治療を行っています。5月7日に広島県海田町でクリニックを開院。
https://cocoro-clinic-himawari.com/

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