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思い出のあの駅/インタビュー

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都会の駅から秘境駅まで、広島県内や付近の多くの駅を巡っている「駅のスペシャリスト」2人に、お気に入りの駅や訪れる楽しさ、魅力を語ってもらいました。

リポーター 森本 久美子さん
「ひろしま満点ママ!!」の人気コーナー「あの町へ駅(えき)んさい」を担当
もりもと・くみこ 1978年呉市生まれ。安田女子大を卒業後、フリーアナウンサーとして活躍。広島テレビ「ハロークッキング」、RCCラジオ「NEXCO西日本ドライブエスコート」など数多く出演。

風景や人 宝探しの出発点
情報番組「ひろしま満点ママ!!」(テレビ新広島)で、毎週水曜日に放送される「あの町へ駅(えき)んさい」を担当しています。広島県内のJRや広島電鉄などの駅に降り立ち、駅を拠点にして周辺を散策しながら地域の魅力を紹介するコーナー。2012年4月に始め、延べ340以上の駅とその周辺を巡っています。出会った人から情報を聞き出しながらの「アポなし取材」なので、毎回どきどきしながら撮影に挑んでいます。
02.jpg 最近訪れて記憶に残った駅は、呉線の須波駅(三原市)ですね。ホームからは青い海が見え、すがすがしい気分になります。駅の近隣にはIターンやUターンで定住した若い人たちがパン店や古民家を改装したカフェと宿、陶芸品などの個性的な店舗を出店し、数年前に訪れた時より活気に満ちていてうれしくなりました。
福塩線の戸手駅(福山市)周辺には、オンリーワンの会社があるんです。ある縫製工場を訪ねると、「メード・イン・福山の最強デニムを作りたい」という社長さんが仲間たちとこだわりのジーンズを手掛けていました。「小さくて素朴な駅の近くに、若者ファッションの発信地があるなんて」と、新鮮な驚きがありました。
山奥の無人駅も味わいがあります。芸備線の道後山駅(庄原市)は、冬の寒さが厳しいためか駅舎の入り口に重くてなかなか開かないガラス戸があります。裏手には閉鎖されたスキー場があり、人影もなくて不安になるほど。それでも心地よい静けさや鳥のさえずり、山野草が出迎えてくれ、秘境の駅ならではのぜいたくさを感じました。
過疎地の無人駅は、駅舎が集会所のような役割を果たしていて、地域の貴重な資源になっています。駅舎内でうどんを販売したり、待合室に漫画を並べていたりして憩いの場として工夫されています。本数が少なくても列車が通り過ぎる音は、駅周辺の人たちにとっては時計代わりです。町は、駅とともに生きているんだなと実感します。
訪れる駅にはそれぞれの風景があり、においがあり、人々がいます。それは、地域の宝ではないでしょうか。私にとって、駅は宝探しの出発点。映像には映らない駅の空気感を細やかに伝えていきたいですね。

ひろしま満点ママ!!
毎週月ー金曜日9時50分~11時25分放送(金曜日のみ11時20分まで)。広島県内の流行や旅、レジャー、グルメなどの情報を伝えている。森本さんは「あの町へ駅んさい」のほか、月曜日の司会も担当。

 

鉄旅ライター、イラストレーターやまもと のりこさん
1964年広島市生まれ。20代後半からイラストレーターとして活動。2000年からライター業も兼ね、編集、執筆に携わる。著書に「中国地方 ローカル線の旅 ガイドブック〜愛しの三江線〜」(1080円/ザメディアジョン)

廃線後も続く 三江線への愛
2015年の夏に初めて三次駅(三次市)と江津駅(江津市)を結ぶ三江線の列車に乗りました。車窓からの眺めに心を打たれ、すっかりファンに。昨年の春、廃線になりましたが、ユニークな駅や地域の人たちとのふれあいは大切な思い出です。そして、現在も旧宇都井駅(島根県邑南町)や旧石見川本駅(同県川本町)では、鉄道資産を生かしたイベントが開かれるなど、沿線地域を盛り上げる取り組みが進んでいます。それらの活動に参加して、都会では体験できない刺激を受けています。
三江線に限らず、ローカル鉄道は車窓を眺めながらのんびり旅ができるところが魅力です。お酒も飲めますし、乗り合わせた人たちの方言を聞くのも楽しい。1日3往復しかしない秘境駅といわれる芸備線の内名駅(庄原市)で下車したときは、鉄道ファンと思われる乗客からどよめきが起こりました。「そこで降りるのか」という声が聞こえてきそうでした。内名駅でしかもらえないバッジを手に入れましたよ。昨年の西日本豪雨の影響で、芸備線の全線復旧は秋ごろのようです。待ち遠しいですね。
04.jpg豊かな自然が眺められた旧三江線

<オススメの駅>
宇都井駅
地上約20メートルにホームがあり、「天空の駅」と呼ばれています。廃線後の2018年11月もライトアップイベントが開催されました。今年も11月22、23日に開かれます。問い合わせはNPO法人江の川鐵道 080-6269-8596
05.jpg

石見川本駅
廃線直後から駅舎で音楽ライブなどが開かれました。線路上を時速15キロで走る「レールバイク」も登場。レールバイクは今年も11月に開催予定です。日程など問い合わせは川本町観光協会 0855-74-2345

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