かきのきむら企業組合 福原さん/キラリ人
食と農・かきのきむら企業組合 福原圧史 副理事長
ふくはら・あつし 1949年島根県吉賀町生まれ。吉賀町役場に勤務しながら柿木村の有機栽培に尽力した。日本有機農業研究会中国ブロック幹事
アンテナ店再開 吉賀の野菜お届け
有機農業の地として知られる島根県吉賀町柿木村の農業を、農家として約40年けん引する。自らの性格を「牛のようにおだやか」と笑う。
柿木村などの野菜や米を販売する廿日市市のアンテナショップ「かきのき村」の経営を9月、生産者自身が運営主体を担い再開させた。2003年から第三セクターが運営していたが、経営不振を理由に19年1月、撤退を表明。すると常連客から再開を求める署名運動が広がった。「1800人分が集まり驚きました。生産者の生活と消費者の食の安全を守るために、やるしかない」と立ち上がった。
普段は畑仕事をしながら店の経営に携わり、農業の講演会の講師を担う。有機栽培は農薬を使わないので「自然との共生が基本」と話す。「田んぼの中には稲を枯らす虫とその天敵のクモやカマキリもいます。畑も多少は虫の被害に遭いますが、健康でおいしい野菜が育ちます」と胸を張る。
店には吉賀町を中心にした生産者170戸の商品が並ぶ。「これからハクサイなどの冬野菜が甘味を増します。おにぎりの試食会などもしますので、実際に味わってください」と来店を呼び掛ける。
キラリと輝く3マイルール
★1 自然との共生
★2 人と人の共生
★3 むらとまちの共生