わが家流 おせち(1/3)
令和初の正月を祝う
時短で本格おせち
正月の食卓を彩る「おせち料理」は、日本の伝統的な食文化です。とはいえ、時代やライフスタイルの変化とともに多様化しています。今回は、今どきのおせち事情と、時短で作れるレシピなどを紹介します。手作りおせちで令和初の正月を祝いませんか。
教えてくれた人
教室主宰、管理栄養士 山口ようこさん
やまぐち・ようこ 広島市佐伯区の自宅料理教室「のほほんうさぎの週末しあわせごはん」や地域のイベントなどで、食の大切さや楽しさを伝えている。
手作りと市販品を併用
もともと年神様への供え物だったおせちは、めでたい新年にふさわしい願いやいわれがある縁起物の伝統料理です。だて巻きは形が「書物の巻物」に似ていることから学業成就、田作りで使う小魚は田畑の肥料だったことから五穀豊穣、エビには腰が曲がるまで健康で長生きできるようにという願いが込められています。
昔は何日もかけて一つ一つ手作りしていましたが、核家族化や単身世帯の増加などを背景に手作りする家庭が少なくなってきました。料理教室で時短おせちのレッスンを開催している管理栄養士の山口ようこさんは「全てを作る必要はなく、市販品を併用してわが家流にするのがお勧めです」とアドバイスします。山口さんが提案するおせち料理は1品15分以内でできるものばかり。それらを市販品と組み合わせて丸皿に少しずつ盛り付ければ、「ワンプレートおせち」の出来上がり。重箱がなくてもきれいで華やかに見えます。
わが家流に欠かせないのが「だし」です。「天然素材から取るだしは、家庭の味を決める貴重な存在です」と山口さん。ぜひ試してほしいのが、昆布とかつお節を合わせた「合わせだし」。昆布だしのグルタミン酸とかつおだしのイノシン酸は、組み合わせることでうま味が増す「相乗効果」を発揮。雑煮のだしにも使えますよ。
昆布とかつお節の合わせだし
[材料]
水…1リットル
昆布…10グラム(はがきサイズ大1枚)
かつお節…10グラム(茶わん1杯分)
短時間でカリッと香ばしく
田作り
調理時間3分
[材料](3人分)
小さめの煮干し…20グラム
みりん…大さじ1/2
しょうゆ…大さじ1/2
砂糖…大さじ1/2
酢…大さじ1/2
白ごま…適量
[作り方]
(1)煮干しは600ワットの電子レンジで1分加熱する。
(2)フライパンに砂糖、みりん、酢、しょうゆを入れて弱火にかける。 泡が立ったら(1)を入れて火を止め、絡める。
(3)白ごまを振って混ぜる。