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ええね! 広島の伝統工芸品(1/3)

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伝統の技光る逸品
知って使って広めよう!
広島県には国や県指定の伝統的工芸品が12品あります。その中から、宮島細工と熊野筆、備後絣を紹介。歴史やアレンジした商品、日常に取り入れるアイデアなどを逸品に携わる人たちに教えてもらいました。地元の伝統工芸を知り、みんなで広めていきましょう!

 

宮島細工
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左上から時計回りに、宮島彫の小物入れ、宮島ろくろの「棗(なつめ)」「杓子」(宮島伝統産業会館)
2.jpg宮島ろくろの皿、盆、ワイングラス。モダンなテーブルコーディネートとしても楽しめる。(村上工芸)
3.jpg最近は漆を塗った商品なども登場。ブレスレットやペンダントもある(宮島伝統産業会館)

教えてくれた人
伝統工芸士 藤本 悟さん

 

木目生かしたろくろや杓子
世界遺産の島・宮島(廿日市市)に伝わる宮島細工とは、宮島の僧・誓真が江戸後期に考案した「杓子(しゃくし)」、島の風景などを写実的に彫刻する「宮島彫(みやじまぼり)」、手触りが滑らかなろくろ細工「宮島ろくろ」などを指します。国産のトチやサクラ、ケヤキ、クワなどを使用、自然の木目や色調を生かした「木地仕上げ」が特徴です。
厳島神社創建のために都から宮大工が招かれ、島内に大工が暮らすようになったことが発端といわれています。最盛期は全国で神社参拝の旅が流行した江戸後期。土産品に持ち運びやすい、杓子やおわん、茶托(ちゃたく)など大量に求められました。当時、島内には300人もの職人がおり、島の経済を担っていたそうです。その後も日用品として日本各地で販売されたり、欧州へ輸出されたりしていましたが、やがて安価な海外製の商品が普及し、生産量が減ってきました。近年は宮島細工の魅力を発信しようと、モダンなデザインのカップや器、漆を塗った商品なども開発。宮島を訪れる欧米人にも注目されています。
廿日市市と宮島細工協同組合が行う後継者育成事業で、研修生17人が技術を学んでいます。ろくろ歴62年の伝統工芸士の藤本悟さんは「宮島という土地も愛しながら本気で取り組む人が多く育ってくれたらうれしいです。新しいことも取り入れながら、歴史をつないでいきたいです」と話します。
5.jpgろくろ細工で使用する道具

<DATA>
・宮島伝統産業会館
廿日市市宮島町1165-9 0829-44-1758
・村上工芸
廿日市市宮島町813 0829-44-0233

≪こちらもチェック≫
7.jpg宮島彫を体験しよう
宮島伝統産業会館では、伝統工芸士や職人の指導による宮島彫体験ができます(1900円、要予約)。今回教えてくれたのは職人歴11年目の大野浩さん。15センチの丸盆に、下絵を基に紅葉を彫ります。三角刀の使い方や、美しい線を描くこつを学びながら約1時間で完成させました。会場では伝統工芸士の作品も見られます。
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info.
 産業会館では、焼きごてを使って杓子に模様をつける「杓子づくり体験」(400円)や、出来たてが食べられる「もみじ饅頭(まんじゅう)手焼き体験」(880円・土産付き)もできます。問い合わせ、予約は宮島伝統産業会館0829-44-1758まで。

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