日本茶をもっと身近に(1/3)
ペットボトルや紙パックで手軽に飲めるお茶。普段何気なく飲んでいるそんなお茶にも、コーヒーや紅茶のように入れる楽しさや茶葉を選ぶ面白さがあります。知れば知るほど奥深い飲み物です。今回の特集では、お茶を楽しむヒントを紹介します。
専門店で楽しむ。
広島県内で本格的なお茶が飲める3店を紹介します。煎茶やほうじ茶などの日本茶はもちろん、台湾茶や中国茶なども味わうことができます。一昔前では自宅でも当たり前だった茶器を温め、急須に茶葉を入れ、茶葉を蒸らし、湯飲みに注ぐという一連の作法。お店ではさまざまな種類のお茶が味わえると同時に、こうした一連の作法も体験することができます。
TEA STAND GEN
-尾道-
世羅町産の無農薬栽培
築80年以上の古民家をリノベーションし、尾道の路地裏に2019年にオープンしたティースタンド。店主の高橋玄機さんが栽培した無農薬・無肥料の茶葉を使った煎茶やほうじ茶、和紅茶などが味わえます。「無農薬・無肥料にすることで、お茶本来の甘味が際立ち、苦味・えぐ味が少なくなるんですよ」と高橋さん。1番人気は、メニューの7種の中から好きな3種を選んで飲み比べができるセット。おやつが付いて1000円とお得です。提供されるお茶の種類は2週間に1回ぐらいの頻度で変わるので、その時しか出合えないお茶も多いとか。
選べる3種飲み比べ。煎茶(左)、和紅茶(中)、尾道浜茶
店主自らリノベーションしたゆったりと時間が流れる店
店舗で販売されている尾道浜茶(左)と和紅茶各864円
TEA STAND GEN
尾道市土堂1-14-10
0848-88-9188
営業時間 11:00~18:00
定休日 平日不定休
お茶の時間 雲間
-広島-
急須でたっぷり台湾茶
日本茶、中国茶、台湾茶を取りそろえ、特に台湾茶に精通しているスペシャリスト、浦山尚弥さんが現地で仕入れる茶葉が人気です。産地や気候によって変わるお茶は、その時にしか出合えない味わいが魅力。お菓子付きの抹茶、上煎茶、紅茶に加え、中国茶と台湾茶が6種類あり、好みやその時の気分で選べます。お茶は急須で提供され、中でも台湾茶は、8回入れ直せるほど楽しめます。「茶器はすべて温めておくのがおいしく入れるこつです」と店主の寺本紫織さん。また店内ではお茶の知識を深める講座や、太極拳、台湾語教室、サイエンスカフェなど、お茶と一緒に楽しめるイベントも不定期で開催中。
伝統的な「古式凍頂烏龍茶」は大きな茶碗で楽しむ
各種茶葉の販売もある。25グラム1500円~
店内は光が差し込む明るい空間となっている
お茶の時間 雲間
広島市中区白島北町16-22
082-554-0076
営業時間 13:00~18:00
定休日 日・月曜
雪月風花 福智院
-世羅-
宿坊を改修したカフェ
店主の吉宗五十鈴さんが「町ににぎわいを」という思いで築170年の宿坊を改修し、オープンしたカフェ。ここでは、地元で栽培されている無農薬・無肥料の茶葉で作られたほうじ茶や煎茶、日本各地から仕入れたほうじ茶などが味わえます。ほかにも、世羅の米粉や豆腐を使用した白玉ぜんざい、世羅の豆腐工房の豆乳を使った汲み上げ湯葉膳など世羅の恵みをふんだんに使ったメニューを味わうことができます。和室から眺められる庭は、春は桜、夏は青モミジ、秋は紅葉とさまざまな姿を見せてくれます。都会の喧騒を離れて、四季の移ろいを感じることができます。
おすすめの「ひろしま在来 煎茶」660円と春季限定のパフェ1100円
日常を忘れさせてくれる雰囲気の店内
三重県で作られている急須と碗
雪月風花 福智院
世羅郡世羅町甲山158-1
090-7286-9418
営業時 10:00~17:00
定休日 火・水曜