洗濯嫌いの友人からにおい/蝶子のおしおき部屋
CUE編集室ご意見番・蝶子
CUE編集室のメンバー。人生の荒波をくぐり抜け過ぎて、ドSキャラに。蝶子の「おしおき部屋」では、読者のお悩みに愛のムチ(?)でお答えします。
洗濯嫌いの友人からにおい
同じ大学の友人のにおいに困っています。下宿で洗濯を怠り、同じ服を着続けているからです。体臭プラスカビ臭です…。清潔好きの僕は、彼に抱き付かれると気絶寸前。大好きな友人なので傷つけないように伝えたいのですが…。(20代、男性)
な、なんと!デオドラント大国の日本において、そして新型コロナウイルスの感染拡大で過敏になっているこのご時世では、珍獣クラスの「猛者」です。
こういうのはどうでしょう。彼に「アレ? 何かこぼした? 服が臭うよ」などと言って反応を見るのです。けれども、マイペースの彼のことですから、「そう?」で終わってしまう可能性は高いですよね。わざと彼にジュースでも引っ掛け、洗濯をせざるを得ない状況をつくってしまうのもいいでしょう。次の一手は、彼の下宿に押し掛けるのです。私の予想では、汚れた衣類が山積み、万年床にはキノコが生えているはず。友情の証しとして、一緒に洗濯や掃除をするしかない!
でもね、潔癖なあなたのセンサーも疑ってみる必要がありますね。最近では、自分や他人のにおいに神経質になり過ぎて、人間関係でのトラブルにつながるケースが多いそう。敏感なあまり、体臭が当たり前の海外に行くこともできないようでは困ります。究極の手段ですが、友人に抱き付かれたら抱き返し、においにまみれて慣れるっていうのはどうでしょう。もちろん、新型コロナウイルスの騒動が収まってから。よろしくて!
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太宰治や芥川龍之介らが残した名作のアレンジ短編集。どの作品にも、あなたの友人に通じるヘンテコな男子大学生が登場します。「走れメロス」は、大学の「詭弁(きべん)論部」に所属する男2人の友情物語。同じパンツを何日はき続けられるか競争する、などのキテレツなエピソードが登場し、「男くさい」青春ワールドに浸れますよ。
森見登美彦著『新釈 走れメロス 他四編』(祥伝社文庫)
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