【アシタノレポート】エソール広島ワークショップ参加レポート わたしらしい生き方って?
12月22日(水) エソール広島(おりづるタワー10階)
昨年12月に開催された、「わたしらしい生き方」を探るワークショップ。ゲストに野々村聡子さん(広島県・中四国女子野球アンバサダー)、ファシリテーターに大須賀あいさん(編集者・ライター)を迎え、「男性もしくは女性の少ない職場における問題」をテーマに、ゲストトーク。10~30代の男女15名による意見交換も行いました。ワークショップの様子の一部をレポートします。
他人事ではなく、自分事 まずは興味をもつことから
前半は野々村さんと大須賀さんのトークからスタート。「私らしい生き方とあえて言うなら、野球を続けるために〝好きだからやる、得意なことは長く続けたい”と想い続けてきたことでしょうか」と野々村さん。小学3年で野球を始めた当時は、まだ“女子野球”という言葉がなかった時代。専属チームもなく、男の子たちにまじって公園で野球をする日々だったそう。その後、大学4年で女子プロ野球の創設に向けたトライアウトを受け、晴れてプロ選手となりました。「当時はとにかく好きな野球ができることがうれしくて、必死でした。ただ、女子プロ野球は発足したばかりで認知度も低く、バットやグローブを持っていても、男子=野球、女子=ソフトボールという偏見が。何度か辛い思いも経験しました」と野々村さん。退団後はMSH医療専門学校で女子硬式野球部の立ち上げに携わり、監督に就任。「出産、育児を経て遠征や練習に行くことが難しくなったので、現在は監督から部長という役職に変わりました」。大須賀さんから改めて女子硬式野球の魅力を伺うと、「今はようやく、女性が野球に打ち込める土俵に立てた段階。そんな一生懸命さやひたむきさが女子野球の魅力でもありますね」と野々村さんは笑います。
後半はファシリテーターの大須賀さんを中心に、いまだに男女比率が極端な職種を取り上げながら、いわゆる“職場マイノリティ”や職場におけるジェンダーなどの不平等をどうすれば解消できるのか、屈託のない意見交換へ。「女性だから、男性だから」という固定観念にこだわらずに自分たちができることとして、「すぐ否定するのではなく、まず受け入れてみることが大切」「自らが問題に興味を持ち、そして次の世代の人のために発信していきたい」「まずは家族や友人に今日の気づきを共有したい」という声があがりました。野々村さんは「球場には選手用の女子トイレがないことも。女子野球の認知をさらに高め、問題提起を行って環境改善にも尽力したい。次世代に向けて、女性でも好きなことを諦めず、活躍し続けられるということを示していきたいです。私自身は“女性だから”とは考えたこともなかったのですが、みなさんの意見を聞いて、改めて考えるきっかけになりました」と振り返ります。
次回のワークショップへの課題も見つかり、性別にこだわらない“わたしらしい生き方”を選択するための実現へ向けて有意義な意見交換となりました。