【あし太がめぐる民芸品#7】長崎県 波佐見焼 | アシタノ メインコンテンツにスキップする

【あし太がめぐる民芸品#7】長崎県 波佐見焼

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庶民の生活に寄り添う工芸品を『民芸品』と呼び、その土地ならではの技法が全国各地で継承されています。
今回はセレクトショップで目にする機会が多い器をご紹介。

分業制による連携プレーこそが「波佐見焼らしさ」

長崎県のほぼ中央の内陸部に位置する波佐見町。江戸時代前期から陶磁器の生産が活発に行われている町です。

 

波佐見町に焼き物の技術がやってきたのは、豊臣秀吉が実権を握っていた時代。秀吉が主導した朝鮮出兵のあと、各地の大名が朝鮮の焼き物職人を多く連れ帰り、九州で多くの窯が開かれました。1598年に波佐見焼の最初の登り窯も築かれ、地元の陶土を使った大衆向けの器が量産されるように。江戸後期には国内有数の陶磁器生産地へと発展しました。

 

国内で生産される日用和食器のうち、波佐見焼の出荷額は全国上位。小さな町で大量生産をかなえるために、分業制で器を作り上げています。器の石こう型を作る職人、生地を作って成形する職人、器に絵付けの柄を転写する職人、器を焼き上げる窯元、商品を売り出し、時には食器ブランドや作家とのコラボを実現させる問屋や商社。こうした各分野のプロフェッショナルと町全体の連携によって、伝統を守りながらも効率的に器を生産し、その魅力を発信し続けているのです。

 

波佐見焼は「特徴のなさが魅力」とも言われています。これは、波佐見焼が誕生した当初から一目で見分けられる技法やデザインがなく、時代に合わせた自由なアイデアによって作られてきたから。白磁に藍色のシンプルな器、厚手でマットな触感の器、総柄がオシャレでモダンな器…。食洗器・電子レンジ対応といった扱いやすさも魅力の一つとして、波佐見焼ブランドは今でも全国に広まっています。

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アシタノ編集部

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