健康で美しい歯を目指そう! 今日から始める口腔ケア
6月4日(日)〜10日(土)は「歯と口の健康週間」
マスクの着用が屋内・屋外にかかわらず個人の判断となっておよそ2カ月。今まで口元がマスクで隠れていたため、口腔ケアを疎かにしてしまっていた人も多いのではないでしょうか。口腔ケアを怠ると歯周病やむし歯のリスクはもちろん、全身の健康にも悪影響を及ぼしかねません。「脱マスク」を機に、あらためて口腔ケアを見直してみませんか。
痛みが出てから歯医者へ行くのではなく 定期的なチェックで歯とお口の健康を守ろう
日本歯科医師会が2022年8月に実施した意識調査(15~79歳の1万人)によると、「健康のためにできるだけ自分の歯を残したい」、「健康を維持するうえで、歯や口の健康は欠かせない」と9割以上が回答。一方で、職場や自治体が行う歯科検診の昨年度の受診状況をたずねたところ、「受診した」と回答したのは13.4%でした(図1参照)。また、半数以上が歯科医院での定期チェックを受けていません。「脱マスク」に向けて口腔ケアの重要性を認識しつつも、実際には行動が伴っていないようです。
自分が健康だと思う人は、歯科健診、歯石除去などメンテナンスや予防目的の歯科受診率も高く、その結果、むし歯や歯周病などの悩みが少なく、歯科疾患を予防できている傾向がみられます。お口の健康を保つためには、主に歯科医院などで行う「プロケア(プロフェッショナルケア)」と、歯科医や歯科衛生士の指導に基づいた毎日の「セルフケア(歯磨き)」の2つをきちんと行うことが大切です。この2つを積極的に実践し、むし歯や歯周病にかかる前に予防することは、健康寿命をのばすことはもちろん、将来的な医療費を抑えることにもつながります。何よりも歯の汚れが落ちると、スッキリするだけではなく、自然な笑顔も増えていくでしょう。
日本人の30~40歳代の8割が歯、口腔内に問題があるといわれています。むし歯や歯周病など年齢を重ねるにつれて症状が進行し、歯を失う可能性も高くなってきます。また間違った歯磨きにより歯のエナメル質が削れることで「知覚過敏」を起こすこともあります。お口の健康は日々のセルフケアが基本です。正しい知識を再確認するためにも定期チェックを受けて、病気の予防と健康で美しい歯を保てるように努めましょう。
出典:日本歯科医師会「歯科医療に関する一般生活者意識調査」
point 歯磨きのコツと日常のセルフケア
お口の健康を守るために、大切なのは毎日の歯磨き。実は「磨けている」つもりで、「磨けていない」方も多いのです。歯磨きでとくに大切なポイントは5つです。普段、実践できているかどうか、振り返ってみましょう。
①歯ブラシの毛先を使いましょう
歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目に毛先を当てて磨きましょう。
②力が入り過ぎて歯ぐきを傷つけていませんか?
歯ブラシは「ゴシゴシ」磨くのではなく、「サラサラ」と軽く力をかける程度の圧で磨きましょう。
③研磨剤のはいっていないフッ素入りの歯磨き剤を
茶渋が気になる場合などは、週に1~2回研磨剤入りの歯磨き剤を使用しましょう。
④歯の形にあった磨き方をしましょう
くぼんだ部分や歯並びが複雑な部分は、歯ブラシを小刻みに動かして磨きましょう。
⑤時間をかけて磨きましょう
一日に一度、なるべく長時間ていねいに磨きましょう。朝は忙しいので夜がおすすめです。
教えて くれたのは
広島県歯科医師会企画・広報部 委員長
藤井 良典先生
(安芸歯科クリニック 院長)
広島市東区温品5-2-62
TEL/082-280-2133