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【アンガールズ山根良顕のPAPAっと育児】第7回 「おおきなかぶ」のおじいさん役は成長のしるし

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娘は小学1年生のとき、劇「おおきなかぶ」でおじいさん役をしました。おじいさんが植えたカブが大きく育ち、みんなの力を合わせて引き抜くという話です。学校で劇の配役を決めたんだと楽しそうに話してくれる娘と「主役だね、よかったね」と会話をするうちに、娘の表情が少しずつくもってきました。聞くと「おじいさん役をやりたい人がいなかった。でも誰かがやらないといけない。だから、私も嫌だったけどやることにした。本当はつらかった」と涙をこぼし始めました。僕は、嫌だと思うことでも、クラスのためにすすんで実行できるなんて成長したなぁと思い、「我慢してえらかったね」と声を掛けました。

 

ずいぶん前、とある女性タレントさんとコントをすることになって、おじいさんの役をお願いすることになりました。でもそのタレントさんはおじいさん役をどうしてもしたくなくて、設定を変えたことがありました。彼女には彼女のポリシーがあって、そのこだわりを持つのも大切なことです。でも、娘は「集団のため」を選んで実行しました。よく頑張ったなぁ。

 

娘は、習い事や友達家族の中では一番年下で、みんなに面倒みてもらって好きなことをさせてもらえます。でも、いとこの間では一番年上でお姉さん役。いろいろ我慢して、たまに僕らのところに来て「私もあれがやりたかった(けど譲ってあげた)」と泣いたりします。

 

でも社会にでると、こんな風に立場が変われば求められる役割が変わることはよくありますよね。どんなに努力して頑張っても、結果を変えられないことだってあります。特に娘は一人っ子だから、家の中では「大人と子ども」という関係しか経験させてやれません。世代が異なる人たちとの交流を通して、いろいろな立場を経験してほしいと思っています。

 

ただ親としては、我慢してつらい気持ちのままにしたくない。「よく我慢できたね」って言葉で伝えるようにしてます。親や周りが自分を見てくれたと分かれば、気持ちを抑えたつらい経験も、自分の成長に気づく機会になったり、自分を誇りに思える出来事になるんじゃないかな。つらい出来事を自分の成長のための体験ととらえることができれば、次の成功につながると思うんです。

 

おじいさん役をするという楽しい報告を聞いていたはずが、結果的にはつらかった気持ちを聞けました。普段から「今日は何が楽しかった?」と話しかけるように意識しているので、会話の中での些細な表情の変化にも気づけたし、娘も気持ちを隠さずに打ち明けてくれたんだと思います。普段からよく話す関係で助かりました。

アンガールズ 山根良顕

お笑い芸人。1976年生まれ、広島市安佐南区出身。2000年、田中卓志とともにお笑いコンビ・アンガールズを結成。現在は7歳の娘のパパ。趣味は野球観戦、ラジオ・ポッドキャスト鑑賞、筋トレ。

 

Instagramアカウント @ungirls_yamane

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アシタノ編集部

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