映画「轢き逃げ」中山 麻聖さん、石田 法嗣さん/今週のキラリ人
映画「轢き逃げー最高の最悪な日ー」
ダブル主演 中山 麻聖さん㊧ 石田 法嗣さん
なかやま・ませい 1988年東京都生まれ。映画「機関車先生」(2004年)で俳優デビュー。映画「アノソラノアオ」(12年)、NHKドラマ「美女と男子」(15年)など
いしだ・ほうし 1990年東京都生まれ。子役としてスタートし、ドラマ「火垂るの墓」(2005年)、映画「相棒―劇場版Ⅳ―」(17年)など
予想できない事件の展開 「親友」の心の在りようが鍵
公開中の映画「轢き逃げ―最高の最悪な日―」(水谷豊監督)でダブル主演を務めた俳優の中山麻聖さん=写真左=と石田法嗣さんが、キャンペーンのために広島市を訪れた。2人は「サスペンスでありながら、ひき逃げ事件に巻き込まれた登場人物の心情が繊細に描かれている人間ドラマです」と作品の魅力を語る。
作品では、「親友」を演じた2人。中山さん演じる秀一が轢き逃げ事件を起こし、車に同乗していた石田さん演じる輝とともに逃げてしまうシーンから映画は始まる。秀一と輝の依存し合う関係性や、友情だけではない2人の心の在りようが、ストーリーの鍵を握る。一方、プライベートでも仲が良い中山さんと石田さん。「実際の僕たちも撮影中、一緒にいる時間が多くてお互いを心の支えに演じていました。そういった空気感が作品に反映されているのでは」と笑う。
また、この作品でメガホンを取り、被害者の父親も演じた水谷監督のベテラン俳優ならではの演出は、成熟した役者を目指す2人にとって代え難い経験だった。「現場では、水谷さんが僕の役を演じてくださることもありました。アドバイスしてくださる時は僕の肩に手を置いて、優しく丁寧に説明してくれるんです」と中山さん。石田さんは「監督から俳優に切り替わる時の瞬発力や集中力を間近で見て、すごい境地にいる人なんだと実感しました」と振り返る。「役への先入観や自分の価値観を全て捨てて、現場に臨んでほしい」という水谷監督からの要望を受け入れ、監督に委ねるようにして役作りをした2人の演技は大きな見どころだ。
今回のキャンペーンでは取材対応など仕事の合間に、「広島が初めて」という中山さんをロケで訪れたことがある石田さんが案内した。リニューアルしたばかりの原爆資料館(広島市中区)を見学したり、お好み焼きを食べたりして広島を楽しんだ2人。「最後まで予想できない物語の展開を、広島の皆さんにぜひ劇場で確かめてほしい」と口をそろえた。
Information
映画「轢き逃げー最高の最悪な日ー」 公開中
車を運転していた青年・宗方秀一、助手席に乗っていた親友・森田輝が交通事故を起こした。1人の女性が命を落とし、ひき逃げ事件になってしまう。秀一は勤務先である大手ゼネコンの副社長の娘・白河早苗との結婚を控えていた。一方、娘を失った被害者の父・時山光央は悲しみに沈みながらも事件に疑念を抱き、事故の周辺を調べ始める…。
広島バルト11(広島県府中町)などで公開中。
▽キャスト 中山麻聖、石田法嗣、小林涼子、 毎熊克哉、水谷豊、檀ふみ、岸部一徳
▽監督・脚本 水谷豊