相続税 わが家は大丈夫?/教えて! 中国税理士会
【今回の相談】 相続税 わが家は大丈夫?
Q. 両親が高齢になり、相続税のことが心配になってきました。基本的な相続税の計算方法を教えてください。
A.まずは基礎控除額の計算を
正味の遺産額が基礎控除額以下なら、相続税がかかりません。基礎控除額の計算式は、基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数です。例えば、ご夫婦と子ども2人の4人家族で、夫が亡くなった場合の法定相続人は妻と子ども2人の計3人。基礎控除額は3000万円+600万円×3人で4800万円となります。正味の遺産額が4800万円以下なら相続税はかかりません。
正味の遺産額とは、土地・建物や預金などの財産から借入金や未払金などの債務を引いたものになります。財産とは、亡くなった時点で所有していた財産であり、金銭に見積もることができる全ての財産が相続税の課税対象になります。そのため、国内に所在する財産のほか、国外に所在する財産も相続税の課税対象になります。
なお、財産の名義にかかわらず、亡くなった方の財産で家族の名義となっているもの(いわゆる名義預金)なども相続税の課税対象となります。例えば、専業主婦である妻が、妻名義の口座にへそくりをためていた場合、そのへそくりの元が亡くなった夫の稼いだお金なら名義預金となり、相続税の課税対象となります。
さらに、死亡に伴い支払われる生命保険金や退職金などは、相続によって取得したものとみなされ、一定の金額を超えると相続税の課税対象となります。土地の評価などは複雑になっており、特例を使って評価減が可能な場合もあります。相続に関しては元気なうちに家族で話し合い、相続税対策を行うことが重要です。ぜひ専門家にご相談ください。
教えてくれた人
中国税理士会 吉田 智子さん
住所/広島市中区袋町4-15 問い合わせ0120-927-370(税金相談センター)
企画・制作/メディア中国 クロスメディア営業部