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引きずるセクハラの傷/蝶子のおしおき部屋

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CUE編集室ご意見番・蝶子
CUE編集室のメンバー。人生の荒波をくぐり抜け過ぎて、ドSキャラに。蝶子の「おしおき部屋」では、読者のお悩みに愛のムチ(?)でお答えします。

引きずるセクハラの傷
5年以上も前なのですが、飲み会の帰りに上司から手や太ももを触られるセクハラを受けました。当時は誰にも言えませんでした。今は職場も別ですが、社内でその人を見ると吐き気がします。心の傷をずっと引きずっています。(30代、女性)

 

「セクハラオヤジの年金受給資格を、剝奪してやればいい!」と呪詛(じゅそ)の言葉を吐きたくなるのは、私だけじゃないはずです。こういう心の傷は尾を引きますね。砂をかみ続けているような後味の悪さは、よく理解できます。
というのも、フリーのライターだった10年前に、私にも同様の経験があるからです。今でも、加害者とすれ違うと怒りがこみ上げてきます。私も面と向かって抗議しませんでした。フリーで立場が弱く、闘っても仕事に差し支えると思ったからです。また、「自分にも隙があったのでは」との負い目もありました。でも、今振り返ると、それは間違っていました。あなたも被害者なのに、感じる必要のない自責の念があるからこそ、心の痛みをしつこく抱えてしまっているのではないでしょうか。
 シンプルな方法ですけど、私は女友達に聞いてもらうのが一番いいと思います。「つらかったね」「忘れたいよね」と言い合うだけでも違いますよ。さらに、昔のことであっても、総務や人事の担当者に相談や報告をした方がいいと思います。「次の被害者を出さない」という行動が、あなた自身の力になるのでは。よろしくて!


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AVライター雨宮まみさん(故人)の自伝的エッセー。雨宮さんは、自分自身がなぜ女性としての自己肯定感が極端に低いのかを分析し、女性たちの心の中にも「男目線」の価値観が根強く内在しているのでは、と指摘します。私もなぜ過去のセクハラ被害にこだわったり、自分を責めたりしたのかを理解できた気がしました。

※あなたの「おしおき」したい人を募集。おしおきしてほしい人もいらっしゃい!

雨宮まみ著『女子をこじらせて』(幻冬舎文庫)

この記事を書いた人

蝶子(メディア中国)

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