シネマNAVI「冬薔薇(ふゆそうび)」2022年7月中旬公開
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寄る辺ない若者の行く末
再起を誓った若手俳優・伊藤健太郎と阪本順治監督がタッグを組んだ映画「冬薔薇」が7月中旬、シネマ尾道(尾道市)とサロンシネマ(広島市中区)で公開されます。順風満帆だった俳優としてのキャリアを、2020年に起こした不祥事によって休止させた伊藤。阪本監督はそんな伊藤に会い、数時間かけてじっくり話を聞いた後、当て書きのシナリオを書き下ろしました。復帰作となったこの作品で、伊藤は寄る辺なく生きる青年・淳を見事に演じ切りました。淳の両親を演じた小林薫、余貴美子が伊藤を支え、石橋蓮司、伊武雅刀らベテラン俳優たちの演技力と存在感も作品に深みと味わいをもたらしました。
あらすじ
ある港町。25歳の渡口淳(伊藤健太郎)は服飾の専門学校に在籍しているが、授業には出ず、友人や女から金をせびってだらだらと過ごしている。地元の不良グループにも片足を突っ込み、虚勢を張る毎日だ。両親の義一(小林薫)と道子(余貴美子)は埋め立て用の土砂をガット船で運ぶ海運業を営んでいるものの、時代とともに仕事が減り、頭を悩ましながら日々をやり過ごしていた。淳はそんな両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。ある時、淳の不良仲間である美崎輝(永山絢斗)の妹が何者かに襲われ、不穏なムードが漂う。家族とも友人とも、そして自分自身とも向き合えない淳はどこに向かうのか―。
上映館
シネマ尾道(7月16日~)、サロンシネマ(7月15日~)