【暮らしのQ4】「住宅ローン減税」を受けるために、年末調整ではなく、確定申告をすると 聞きました。いつ、どうしたらいいか、 何が必要なのか教えてください。 | アシタノ メインコンテンツにスキップする

【暮らしのQ4】「住宅ローン減税」を受けるために、年末調整ではなく、確定申告をすると 聞きました。いつ、どうしたらいいか、 何が必要なのか教えてください。

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2022年にマイホームを取得し居住を開始された、共働きのご夫婦からの相談です。会社員だと年末調整があるので、慣れない確定申告に身構えてしまいますよね。知っておいてもらいたいことを紹介します。

 

弁護士法人あおば 代表弁護士・社労士・通知税理士
相川 祐一朗先生

夢のマイホーム購入!住宅ローン控除について教えて!

住宅ローン控除の正式名称は「住宅借入金特別控除」。相談者のように、住宅を取得して住宅ローンを組んだ人の、負担を軽減するために制定されました。

 

住宅ローン控除を受けるためには、住宅を購入し、居住を開始した翌年の1月1日から3月15日までに、確定申告をする必要があります(自営業者の場合は、2月16日から3月15日の間に、確定申告で手続きする)。

 

Q.そもそも「年末調整」って?

年末になると、会社が、その年に天引き(源泉徴収)されたおおまかな税額と控除額を差し引きし、本来の所得税額を再計算します。そこで、払いすぎた所得税の還付を受けたり、追加で納税したりすることを「年末調整」といいます。会社員など、給与を受け取っている人が対象です。

Q.「確定申告」って?

年末調整では控除できない項目がある人、2カ所以上から給与を受け取っている人などが対象。自分で、税務署で確定申告をする必要があります。

2022年に改正された住宅ローン控除のポイント

  1. 控除率が1%から0.7%に引き下げ
    例えば年末のローン残高が3,000万円の場合、改正後は21万円のみ控除されます。
  2. 控除期間が13年に延長される
    従来の控除期間は10年でしたが、改正後は、認定住宅等もしくは新築で、2022年・2023年に居住開始する場合、控除期間が13年に延長されます。
  3. 住民税からの控除額の上限が引き下げられる
    住宅ローン控除額が所得税から控除しきれない場合、住民税からも控除できます。
    この金額の上限が「前年度課税所得×5%、最大9万7,500円まで」になりました。
  4. 所得制限が、3,000万円以下から2,000万円以下に引き下げ
    所得金額が2,000万円を超える場合は、住宅ローン減税が受けられなくなります。
  5. 住宅ローン残高の上限が、4,000万円から3,000万円に引き下げ
    (2022、2023年に入居した場合)
    年間の最大控除額は、従来の4,000万円×1%=40万円から、
    3,000万円×0.7%=21万円に下がることになります。
  6. 省エネ住宅の優遇が拡大する
    「認定住宅」は最大5,000万円、「ZEH水準省エネ住宅」は最大4,500万円、「省エネ基準適合住宅」は最大4,000万円まで、控除の対象となります。

住宅ローン控除の適用条件(新築の場合)

□新築住宅取得の日から6カ月以内に居住し、適用を受ける年の12月31日まで、引き続き住んでいること。
□住宅ローン控除を受けようとする年の年間合計所得金額が2,000万円以下。
□新築住宅の床面積が50㎡以上あり、床面積の1/2以上が居住用である。
(特例適用の場合、合計年間所得1000万円以下ならば床面積40㎡以上)
□10年以上にわたり住宅ローンを返済する契約である。
□居住した年を合わせた5年の間に、居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていない。

住宅ローン控除を受けるための確定申告で必要な書類

□源泉徴収票
□住宅ローンの借入金残高証明書
□マイナンバーカード、住民票など
□土地・建物の登記簿謄本
□売買契約書または建築請負契約書
□確定申告書

住宅ローン控除のための確定申告を済ませたら、2年目以降は、会社の年末調整で住宅ローン控除の手続きができます。会社の年末調整時には、「住宅借入金等特別控除申告書兼証明書」「住宅ローンの借入金残高証明書」を提出しましょう。

 

住宅ローン控除額の計算例
  • 1~10年目
    年末時点での住宅ローン残高または取得対価 × 0.7%(上限40万円)
  • 11~13年目(1・2のいずれか少ないほう)
    1.年末時点での住宅ローン残高×0.7%  2.(住宅取得等対価の額-消費税額)×2%÷3

相川先生のまとめ

住宅ローン控除は、税額控除として所得税そのものを減税してくれる、非常に有効な制度です。今回の改正も控除率の点だけが目立っていますが、一定の要件を満たす住宅には控除される期間が延長されるなど、一概に改悪ばかりともいえません。住宅取得の際には、専門家に相談の上、最大限に制度を活用できるようにしましょう。

 

※利用できる制度には、適用になる条件などがあります。詳しくは専門家に相談しましょう。

この記事を書いた人

アシタノ編集部

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