読書日和/「モチモチの木」「天命 毛利元就武略十番勝負」
心に残る思い出の一冊を、書店員たちに挙げてもらうコラムです。併せて、売れ筋ランキングや話題の新刊も紹介します。
思い出の本 作・斎藤隆介 絵・滝平二郎 「モチモチの木」
学芸会で披露 思い出に
(岩崎書店)1540円
私が小学6年生の時の担任の先生は大変教育熱心な人で、特に国語の授業に力を注いでいました。その先生とのエピソードで印象深いのは、年に一度、保護者も呼んで行う学芸会で「モチモチの木」の劇を披露したことです。その先生は「モチモチの木」の切り絵をスライドで映し出し、私たちに朗読させるということを考え付きました。投影する切り絵は作品をモチーフにした手作りで、クラスメートと協力しながら作りました。私はクライマックスの「モチモチの木に火がついている」という場面の担当でした。
書店に入社し絵本コーナーを整理していると、「モチモチの木」が並んでいて大変驚きました。発行日は1971年で入社年は85年。その間存在し続け、今でも読み継がれています。素晴らしい作品との出合いや思い出を与えてくれた先生に感謝です。
話題の新刊 岩井三四二 「天命 毛利元就武略十番勝負」
弱小国束ね乱世生き抜く
(光文社文庫)1012円
毛利元就の戦いの生涯を描く傑作歴史小説です。弱小国人・毛利家の次男に生まれた元就。兄を亡くし、図らずも大将となった元就は、いつ敵方に寝返るかも分からない家臣たちをまとめ、乱世を生き抜くために必死であがきます。山陰の尼子氏や山口の大内氏に振り回されつつも戦い続けた、75年の生涯の物語。
先月のベストセラー 啓文社調べ(1/1-1/31)
- 第1位
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102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方 (石井哲代、中国新聞社/文藝春秋)
- 第2位
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日本史を暴く(磯田道史/中央公論新社)
- 第3位
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成熟スイッチ(林真理子/講談社)
- 第4位
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ウクライナ戦争(小泉悠/筑摩書房)
- 第5位
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広島の教科書(JTBパブリッシング)
啓文社 コア神辺店
ショッピングモール「フレスポ神辺モール」の1階にある福山市北部最大級の書店です。専門書や雑誌、児童書、コミックなど品ぞろえ豊富。文具や雑貨コーナーも充実しています。モール内にはフルーツサンド専門店や子どもの遊技場、自主学習スペースなどもあり、親子連れで出掛けるのにぴったりです。
- 住所
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福山市神辺町川北1533 フレスポ神辺モール内
- 電話
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084-962-3939