【暮らしのQ9】猫を飼っています。 梅雨に備えて猫用の防災グッズを用意しておきたいのですが、どんな準備が必要ですか?
今年も、豪雨災害に備えるべきシーズンを迎えました。大切なペットの命を守るために、日頃からできる準備があります。ペットとの防災・暮らしに詳しい松本さんにお話を伺いました。
教えてくれるのは…防災士・ペット災害危機管理士・ペット専用フリーペーパー「Lazo」編集長 松本 京子さん
「ペットがいるから」と避難をためらわず、ペットがいるからこその早めの同行避難を!
災害時、「ペットは避難所に連れて行けない」と、ペットとともに自宅に留まることを選ぶ人は少なくありません。しかし、飼い主自身とペットのどちらの命も助けるためには「自助」による早期の避難行動が欠かせません。ペットの食料や生活必需品の用意、避難ルートの確認、基本的なしつけなど、いざというときに慌てないよう普段から備えましょう。
防災バッグに入れておきたいもの
※少なくとも1年に2回見直しをしましょう
エサ・水
パニックでご飯が食べられない時に備え、猫が関心を持ちそうなおやつも用意。水分補給用にウェットフードもあると◎。
キャリーバッグ・洗濯ネット
非常時に嫌がらないよう、普段からリビングに置いておきます。中に好物を入れ、入る時間を少しずつ伸ばしていくと良いですね。
トイレ用品
好みの猫砂、トイレシーツ、ビニール袋など。避難先でゴミ・汚物を捨てられない場合があるため、密閉袋があると便利です。
暑さ対策
冷凍庫に保冷剤や水を凍らせたペットボトルを常備。トイレシーツで包んでペットの側に置けば、結露を気にせず体を冷やせます。
防災カード
切り取って使おう!
避難先に連れ出せない場合や迷子になった時のため、協力者や獣医に特徴などを知らせるカードを作り、財布やスマホケースに入れておきましょう。
日常でできる防災対策
●ペットと飼い主の健康を守る
□各種ワクチン、感染症予防・駆虫、不妊去勢措置を行う
□マイクロチップを挿入し、飼い主情報を登録する
□首輪をつけておく
□衛生管理(体を清潔にしておくと、万が一の預かり先が見つけやすくなる)
□同行避難可能な避難所と避難ルートの確認
□ペットについての最新の情報を整理して、デジタル・紙でそれぞれ持っておく
□家族の役割分担、留守中の対応、預かり先(知人、ペットホテル、動物病院)の検討
●住まいや飼育場所
□家具、ケージ、キャットタワーの固定・落下防止
□猫の住まいの避難場所、パニックを和らげる隠れ場所を用意
※飼い主の留守中は、なるべく1部屋の中で過ごせるようにする
●ペットのしつけ(猫の場合)
□ケージやキャリーバッグを常に開放し、入ることを嫌がらないように慣らしておく
□猫砂や、固定の場所で排泄ができるようにする
□室内で飼育する
猫は恐怖心が強く、身の危険を感じると狭い場所に逃げ込んだり、外に逃げ出してしまったりする可能性があります。捕まえてキャリーに入れようとしてもパニックになって大暴れをすることも…。おやつなどを使ってキャリーに誘導したり、先に洗濯ネットに入れて落ち着きやすくするなど、猫の性格に合わせて準備しておくと良いですね。
※個体差があります ※かかりつけの動物病院でご相談ください
松本さんのまとめ
防災士・ペット災害危機管理士・
ペット専用フリーペーパー「Lazo」編集長
松本 京子さん
猫には、首輪やハーネスが苦手で外してしまう子や、ストレスに弱い子も多いです。万が一外に逃げ出してしまった場合、動物病院などで取り付けるマイクロチップの活用が有効。さらに、備蓄品にペットの写真や特徴、既往歴などを書いたメモがあれば役に立ちます。また、環境の変化によるストレスから、調子を崩しやすい、夜鳴きしやすいのであれば、飼い主の匂いがついたタオルやおもちゃを用意しておくのも良いですね。
ペットとの避難行動や避難生活は「自助」によるもの。ワクチン、ノミダニなどの駆虫、しつけ、ペット用品の備蓄など、飼い主としての責任において、愛する家族の安全を守りましょう。