【枡田絵理奈の連載コラム】第11回「1人時間」と、マスパン。
往復8時間の通勤で生まれる幸せなひととき
今、私は新幹線の中でこの原稿を書いています。古巣TBSの仕事で、ある企業を訪問して、社長にインタビューをしてきました。
県外での仕事の時も、極力日帰りでできるようにスケジュールを組んでいただいているので、今日は8時間新幹線に乗ることになります。今は、帰り道で名古屋を過ぎたあたり。1時間ほど変な姿勢で寝てしまったので、少し首が痛くなってきました。
最近は東京に行くのは月に2~3回ほどになりましたが、「日帰りで新幹線で東京に通っている」と話すと、周りから「ハードだね!」といつも驚かれます。でも、私はこの時間が大好きです。家にいるときも1人の時間はあるのですが、どうしてもいろいろなことが目について、つい家のことをやってしまうのです。そうしているとあっという間に子どもたちが帰ってくる時間!…という感じで、自分に費やす時間をなかなか作れずにいるのが日常。末娘が幼稚園に行き始めたら始めようと買ったパン作りの本も、結局1ページも開かないまま本棚に眠っています。
そんな日々の中、新幹線では強制的に往復で8時間が1人時間となるので、自分のために時間を費やすことができます。往路はほとんどの時間を仕事の準備に費やします。台本を読んだり、ゲストの資料を読み込んだりします。家よりも集中できて捗るし、家庭モードから仕事モードへとスイッチを入れ替える大切な時間です。そして、お待ちかねの帰り道。毎回、必ず品川駅でおいしそうなスイーツと本を1冊買います。今日はちょうど夕飯の時間だったので、お弁当と、ピスタチオのプリンと、日本語に関する本を購入しました。お弁当はポキ丼をチョイス。コチュジャンと胡麻に漬け込んだサーモン、色とりどりのサラダがご飯に乗っていて、とびっこを散りばめた、宝石箱のようなキラキラとかわいいお弁当。品川から新横浜までは11分なのですが、お腹が空いていて新横浜に到着する前には食べ終わってしまいました。そこからは読書タイム…の予定だったのですが、心地よい新幹線の揺れと満腹状態、そして、活字が私を夢の世界へと誘い…名古屋駅到着のアナウンスで目が覚めました。
今日は締切間近なので原稿を書いていますが、いつもの新幹線の帰り道には、読書をして、甘いものを食べて、子どものように漫画やゲームに夢中になり、インスタグラムで気になるレシピを保存して…もはや、4時間では足りない!というくらい好き勝手に楽しい時間を過ごしています。
仕事を終えた達成感と、帰り道の自分時間を経て家へ帰るとすっかりリフレッシュされていて、子どもたちがより一層かわいく思え、新鮮な気持ちで向き合えます。堂林絵理奈、ときどきマスパン。このバランスが今の私にとっては心地良いものなんだと感じています。気付けば岡山。残り40分、何しよう…♪
枡田 絵理奈 2008年TBSテレビに入社後、「チューボーですよ!」「SUPER SOCCER」など、さまざまなジャンルの番組で活躍。広島東洋カープの堂林翔太選手と結婚し、2015年に退社。現在は広島で3人の子育てをしながら、フリーアナウンサーとして活躍中。
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