【アシタノカラダ第2回 栄養学】カリウムってなんだ?
“カリウム”ってどんなもの?
カリウムは五大栄養素のひとつであるミネラルの一種。血圧の調整や筋肉の収縮に関わるなど、体の調子を整える重要な働きをしています。特徴は、体内の余分なナトリウムの排出を促す作用。ナトリウムは、普段の食生活の中では主に食塩に含まれており、濃い味付けの料理が多いと摂取過多になりがちです。ナトリウムの摂りすぎはむくみや口の渇き、高血圧などのリスクを高めると言われています。そのためカリウムは、特に高血圧の発症予防のためには意識して摂取したい栄養素です。
こんな人は注意!
腎機能が低下している人などは、カリウムの摂取制限が必要な場合があるので摂りすぎには要注意。腎機能が低下するとカリウムの排出量が減少し、血中のカリウム値が高まることによって不整脈を起こしやすくなる可能性があります。生活習慣病や腎臓疾患を治療中の人はかかりつけ医や管理栄養士に相談しましょう。
摂取のポイント
カリウムは水に溶けやすいので、カリウム摂取が目的の場合、野菜は手早く洗って必要以上に水にさらさないようにしましょう。茹でることでも溶け出してしまうため、蒸し料理や電子レンジを利用するか、煮る場合は汁物にするのがおすすめ!腎機能が低下してカリウム制限がある人は、野菜・イモ類などを一度茹でて、茹で汁を捨ててから料理に用いるとカリウム摂取が防げます。
こーんな食材に入ってる!(100gあたりのカリウム含有量)
●じゃがいも(電子レンジ調理:430mg、蒸し:420mg、水煮:340mg)
●さつまいも(焼き:540mg、蒸し:480mg)
●ほうれん草(油炒め:530mg、茹で:490mg)
●小松菜(生:500mg、茹で:140mg)
●アボカド(590mg)
●バナナ(乾燥:1300mg、生:360mg)
●メロン(350mg)
●キウイ(300mg)
生活習慣病の予防を目的とした成人1人1日あたりの摂取目標量は 男性3,000mg以上、女性2,600mg以上です。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020」、文部科学省「食品データベース」/監修:広島県栄養士会