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【今こそ考えたい!防災のこと】防災タイムラインを作成し、 今年も災害に備えよう!

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災害の素因・誘因を把握し、自らの命を守る行動へ! 日頃からの準備が大切。

4年前の西日本豪雨で、広島県は大きな被害を受けました。昨年も降り始めからの総雨量が各地で数百ミリ超の大雨を記録し、西日本豪雨と同様の降雨量でしたが、土石流やそれによる災害は限定的でした。4年前は大雨の後半に土石流などの集中発生の引き金となるような強い降雨がありましたが、昨年は大雨の後半に強い雨がありませんでした。その違いが災害の発生数にも関係しています。総雨量だけでなく、強雨の降るタイミングなど雨のパターンに注目することも大切な視点です。

 

大雨は、土砂災害などの直接的な引き金となる「誘因」です。一方、地形や地質など土地そのものが持っている性質を自然的な「素因」と言います。広島県の地盤は、花崗(かこう)岩類や流紋岩類がかなりの部分を占め、風化も進んでいます。大量の雨水を含むと強度が低下し簡単に崩れ、土石流が生じやすいという特徴があります。また、山裾や谷あいに人家が数多くあるという社会的な素因も軽視できません。こうした素因が誘因と組み合わさることで、近年の大規模な土砂災害が発生していると考えられます。

 

では、災害に対してどのような対策が必要でしょうか。一つは、砂防ダムなどハード面での対策があります。ただ、非常に効果的なのですが万全ではありません。自らの命を守るための防災行動を取るように誘導する、ソフト面での対策も非常に重要です。例えば、避難のタイミングや避難先をあらかじめ決めておくタイムラインを個人個人で作成することは、災害や防災を自分ごととして考えるうえで役に立ちます。スマホで簡単に作成できる「防災タイムライン」は、防災意識を高めるきっかけにもなります。決して「受け身」にならず積極的に情報収集し、自ら判断する力を養うことで、日頃から災害に備えておきましょう。

▲2018年西日本豪雨の土砂災害。山から町へ、白い土砂が流れ出ているのがわかります。(東広島市黒瀬町と呉市安浦町の市境付近)

教えてくれたのは

広島大学 防災・減災研究センター長
海堀 正博 特任教授

この記事を書いた人

アシタノ編集部

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