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読書日和/『羊をめぐる冒険 (上)・(下)』『ヨモツイクサ』

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心に残る思い出の一冊を、書店員たちに挙げてもらうコラムです。併せて、売れ筋ランキングや話題の新刊も紹介します。

思い出の本 村上春樹『羊をめぐる冒険 (上)・(下)』

初読の記憶 今なお鮮明に

表紙イラスト・佐々木マキ

(講談社文庫)各616円

 

この本と出合ったのは大学時代のとある日。偶然キャンパスで顔を合わせた友人から紹介されました。いささか高めのテンションで「面白いよ、羊!(羊をめぐる冒険)」と。当時、1冊100円の古本をジャケット買いするのが私の読書の定番で、ハードカバーの単行本を持つ彼はほんのちょっとまぶしく見えた記憶があります。

大学を卒業した私は書店に就職。その年のベストセラーは同じ村上春樹の「ノルウェイの森」でした。店頭でも村上春樹の本は大々的に展開され、その中に文庫化された「羊!」も含まれていました。

紹介されてから数年後、やっと「羊をめぐる冒険」を読みました。その面白さから、村上春樹のこの本を含めた初期三部作と呼ばれる「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」も手に取りました。今でもこの本を見るとあの頃がよみがえります。年を取った分だけより鮮やかに。

話題の新刊 知念実希人 『ヨモツイクサ』

「黄泉の森」の謎を解く

(双葉社)1848円

 

「黄泉(よみ)の森」には絶対に入ってはならない―。北海道の旭川に黄泉の森と呼ばれる、アイヌの人々が恐れてきた禁域があった。その禁域を大手ホテル会社が開発しようとするも、作業員が行方不明に。現場には「何か」にじゅうりんされた痕跡だけが残されていた。7年前にも家族がこつぜんと消える神隠し事件が。医学的・生物学的な視点で謎を解く、ミステリーホラー小説です。

 

先月のベストセラー 啓文社調べ(5/1-5/31)

第1位
キレイはこれでつくれます(MEGUMI/ダイヤモンド社)
第2位
瀬戸の島旅 しまなみ海道+とびしま海道 ゆめしま海道(阿部美岐子 with 愛媛のライター、ディレクターズ/西日本出版社)
第3位
小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本(小杉拓也/ダイヤモンド社)
第4位
街とその不確かな壁(村上春樹/新潮社)
第5位
くもをさがす(西加奈子/河出書房新社)

啓文社 ポートプラザ店

売り場面積が1600平方メートルを超える中国地方最大クラスの書店です。書籍は質、量ともに地域ナンバーワンです。看護書、介護書、工学書、教育書の特約書店で、Z会特約店。キッズコーナーもあります。

 

住所
福山市入船町3-1-25 天満屋ハピータウン ポートプラザ店1階
電話
084-971-1211
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メディア中国編集部

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