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【枡田絵理奈の連載コラム】特別版「国際女性デー」と、マスパン。

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自分と家族を大切にしながら、何事もポジティブに、前向きに。

今回の「___と、マスパン。」は、「国際女性デー」をテーマに特別版でお届け。これまでのキャリアのこと、子育てのこと、枡田さんが目指す女性像―。
読者から寄せられた枡田さんへの質問を中心に、思いを語ってもらいました。

「____と、マスパン。」では、これまで14回、コラムを寄せていただきました。読者からは、子育てと仕事の両立について聞きたいとの声が多くあります。

現在は、広島まで両親が手伝いにきてくれることも増えましたが、昔は完全「ワンオペ」。「一人で頑張らないといけない」という思いがありました。振り返れば、TBS時代もその気持ちは強かったです。自分が望んだ道なんだからどれだけ忙しくても頑張らないと…って。結婚も、広島への移住も、自分が決めたこと。自力で頑張ることが良いことだと思い込んでいました。

 

でも、新型コロナウイルス禍で価値観が変わった気がします。以前は子どもを連れて東京に行き、仕事をしていましたが、コロナ禍で子連れでの移動が難しくなり、両親や周囲の力を借りて一人で東京に行くように。このとき、改めて、心身ともに健やかであることが一番大切で、「無理をせず、この状況を楽しもう」と思えるようになりました。

キー局のアナウンサーとして第一線で活躍し、結婚を機に広島へ移住されました。自身のキャリアについてはどう考えていましたか。

東京での仕事は規模が大きいし、全国に放送されて影響力もあります。世界的なスポーツの大会のメイン担当もさせてもらえました。でも、大きな仕事をするたびに、「家庭を持った後もずっと同じように仕事ができるだろうか」と考えるように。局アナとしてやりたかった仕事をやり切ることもでき、結婚を機に始まる新天地での暮らしは、不安もありましたが、新たな人生のスタートと前向きに捉えていました。

 

広島は実際に住んでみて、本当に好きになったまち。広島での仕事もやりがいは大きく、県外から来た自分だからこその視点で仕事ができています。

ジェンダーギャップについて感じたことはありますか。

広島で仕事復帰したときに、「働かないで夫を支えてほしい」「子どもが小さいのにかわいそう」との声をいただいたことがあります。もちろん夫を支えたくて結婚したけど、「支える」にはいろいろな形があると思います。

 

ケガもつきもののスポーツの世界。夫に何かあった時に、子どもたちの生活を守れるように、経済的基盤を二人で築こうと話し合った結果でした。でも、実はカープがホームで試合の日には、今もほとんど仕事を入れていません。どうしても難しい日も年に数日はありますが…。試合終わりの夫に、その日の体調にあった夕飯を提供したい、体のケアを手伝いたいという思いがあるので、シーズン中はなるべく稼働が少なくて済むように、事務所には1日に4〜5本まとめて収録できるような体制を作ってもらっています。

 

男性が育休から復職しても「子どもがかわいそう」「奥さんを支えてほしい」とはあまり言われないですよね。各々の家庭にさまざまな事情があり、表面には見えにくくても、働く女性それぞれに葛藤があることを想像して理解することが、大切なのではないかと思います。

広島での子育てはいかがですか。

広島の街は、良い意味で、東京にいたときの鎧を脱がせてくれました。子どもも大人も親しみやすくて、温かい。第一子の妊娠出産時には、まだ知り合いもいなくて、愛犬のトリマーさんに思わず悩みを相談しました。すると、スーパーに車で連れて行ってくれたり、時には洗濯や料理を手伝ってくれたり…。本当に助けられたんです。今では、私も友人のお子さんを預かれるときは預かります。「町内」で子育てをする。これは東京で子育てをしていたら、なかなか得られなかった感覚だと思います。

 

現在は、東京での仕事も基本的に日帰りにするようにしています。頼れる先を作ることが大切です。両親、託児所、ベビーシッターさん…。いくつかのパターンを用意しておいて、子どもが不安にならないように準備しています。

産休中の30代女性の読者から、仕事復帰への不安の声もありました。枡田さんは、不安や焦りはありませんでしたか。

もともと私はなんでも前向きに考えられる性格。でも出産後、家にずっといる生活をする中、「夫には社会があって、子どもは日々成長しているのに、自分だけが取り残されている」という思いにとらわれました。そこで「自己肯定感は自分でつくろう」と少しずつ勉強して、さまざまな資格取得に挑戦。学ぶことで気を紛らわせていました。いつか復帰したときに、アップデートした自分でいられるように。

目指す女性像はありますか。

憧れはいつも母。とにかく明るく、よく褒めてくれるんです。この間は薄汚れた私のスニーカーを「小慣れてるね」と言ってくれました(笑)。私も家族に、良いところを見つけて伝えるように心がけています。

 

まずは自分を大切にすることで、周囲も大切にできると思っています。自己犠牲はいつかひずみが起きます。「気持ちがすり減る」と思うこととは距離を置き、限られた自分の時間を幸せにしたい。そのために、これからもポジティブに過ごしていきたいです。

枡田 絵理奈

2008年TBSテレビに入社後、「チューボーですよ!」「SUPERSOCCER」など、さまざまなジャンルの番組で活躍。広島東洋カープの堂林翔太選手と結婚し、2015年に退社。現在は広島で3人の子育てをしながら、フリーアナウンサーとして活躍中。

 

枡田アナのInstagramはこちらから!

@masuda_erina.official

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アシタノ編集部

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