老いに引け目 憂鬱な毎日/蝶子のおしおき部屋
CUE編集室ご意見番・蝶子
CUE編集室のメンバー。人生の荒波をくぐり抜け過ぎて、ドSキャラに。蝶子の「おしおき部屋」では、読者のお悩みに愛のムチ(?)でお答えします。
老いに引け目 憂鬱な毎日
最近、鏡を見るたびにしわやしみが目立って、老けた自分に落ち込んだり、若い人に引け目を感じたりします。アンチエイジングの化粧品に月数万円も使いますが、効果を感じられず、憂鬱な毎日。プチ整形も考えています。(40代、女性)
アラフォー以降の女性は、多かれ少なかれあなたと同じ思いを抱えています。私も今朝、白髪をむしり抜いたばかりです! でも、これだけは肝に銘じましょう。あなたを苦しめているのは「加齢」だけではなく、特に日本人の中に根強い「女性は若いのが一番で、賞味期限がある」という思い込みです。アンチエイジング化粧品の中には、私たちの中に深く浸透している既成概念に付け込んだ商品だってあるでしょう。
私は20年以上も取材というお仕事を通じて、多くの人に会って話を聞いてきました。取材中、ハッとすることがよくあります。取材相手の「無防備な笑顔」に出会った時です。そういう時、「美しいなあ」とその人の顔に見とれます。有名か無名か、若いか年寄りか、なんてあまり関係ありません。
何が言いたいかって、他人はしわやしみをそれほど気にしていないってことです。相対する人の自然で明るいエネルギーや心を開いている姿勢に、こちらも共感して「美しい」と感じるのだと思います。
しわやしみを過度に気にして笑顔が減るのはもったいない! あなたも無防備なスマイルで、誰かを「すてきだなあ」と思わせましょうよ。よろしくて!
ジェーン・スー、中野信子著『女に生まれてモヤってる!』(小学館)
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コラムニストのジェーン・スーさんと脳科学者の中野信子さんの対談集。これまでの「モヤっとした」経験から、女性として賢く生きるすべや考え方を伝えています。若さや美しさは、長期的には使えない価値。「蓄積されない資産に自分の存在意義を見つけるのではなく、別の価値を育てていこう」と話しています。